第2章 高くは売れないSP盤

SP音盤コレクターへの道
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ところで何で骨董品屋にSP盤が置かれていないのかということを、40年前には、ほとんど考えていなかったのですが、今になって考えると、その理由がおぼろげながらわかるような気がします。

「高くは売れない」「収集家が少ない」「玉が揃わない」「音楽知識に乏しい」というのがおそらくの理由だと私は思っています。
いまでこそSP盤はネットで調べれば、すぐに販売しているお店などが見つかりますが、ネットもまだまだという1980年代は、そんなに情報がすぐに入手できる時代ではありませんでした。
以下の理由は、当時も今もほぼ同じことが言えると思います。

「高くは売れない」1枚単価数十円~100円程度で販売されるものも多い

SP盤は、どうして市場に出回るのかというと、多くの場合旧家の土蔵などの整理や。取り壊しの時に出てくるのが大半です。
ガラクタと一緒に土蔵に眠っていたものが、倉の整理に伴って漆器や瀬戸物、掛け軸、壺などと共に、引っ張り出されるわけです。
その際、陶磁器や漆器、美術的価値の高い掛け軸、壺類はすぐに引き取られます。
引き取る側も目利きできますから、それなりの価格で取引されるのですが、SP盤は重いうえに経年劣化が激しく、収集家が少ないため、なかなか引き取ってもらえないのです。
そのまま打ち捨てられていたりするので、ゴミ回収業者などが集めていることがあるくらいです。

そうやって集めれらたSP盤は、いわゆる業者の市に出品され、落札した業者がそれを選別して、良い者は常連さんむけに、そうでないモノは素人向けオークションや、店頭の賑やかしに陳列されるのです。
この時点で、音楽に明るい業者なら値打ちのありそうなSP盤は、抜き取られ単品のオークションなどにも出品されます。このような値打ちのある商品のオークションには、この世界で有名な(とはいっても業界内の)収集家が集まるようです。
オークションは定期的に行われているようですが、私のようなにわか収集家には敷居が高いし、オークションに参加できるような資格もないでしょうから、ネットなどで見聞きして、感心したり、憧れたりするだけです。

経験豊富なレコード収集も、基本的には骨とう品店での購入が多いと思いますが、これらの方は地方まで出向いて、名もなき骨とう品店を回り、店主と信頼関係を構築し、掘り出し物を譲ってもらうようなご努力をされてきたと聞いています。
そのため昔は骨董品店の店主と顔なじみになり、重いレコードを明るい場所まで運んでもらい、いちいち中身をチェックしてほしいものだけ買って帰るという手間な作業に、店主にもつきあってもらうのも、駆け出しのコレクターにとっては、敷居の高い作業だったに違いありません。

しかし、時代はネットで何でも買える時代になりました、そうすると骨とう品店にとっても、いつ来るかわからない収集家よりも、写真を撮影するという面倒な作業はありますが、ネット販売や、ネットオークションの普及によって、従来よりは格段に販売しやすくなったと思われます。

オークション画面珍品や高額レコードもオークションに出せばやはり売れます。そういった意味では、今後は地方巡りしなくても、ネットオークションででも、そこそこSP盤が購入できるようになると私は思っています。

とはいえ、ネットオークションであっても、店頭売りであっても、値のつくレコードというのは限られており、それ以外のレコードなどは、二束三文の扱いになります。
ネットオークションでも、時たま箱単位で売られているものがありますが、それらはたいていこの類です。
ですが、私のような音楽知識の少ないコレクターは、最初は埃だらけひびだらけ、スリーブなしの裸レコードを購入して、二束三文の中から自身の眼でお宝を探し出すというのが、向いていると思います。
頑張れば1枚100円程度のSP盤もざらにあるのです。(とは言え、出品枚数が1セット100枚とかになると、当然1万円以上になることもざらにあります)

このような雑レコード購入は、いわばコレクターの訓練期間みたいなものです。しかしこんな買い方でも、時として面白いレコードに出会うことがあるのです。(最初の頃は、何が面白くてみたいなところもわからないはずなので、とりあえず購入したSP盤は、財産と考えてあなたが将来価値に気づくまで、大切に保管しておきましょう)

 

第3章 収集家は多くはない
SP盤に関するエッセイです。今回はSP盤のコレクターについて、どれくらいの数がいるのかなど、自分なりに考えたコレクター数などにつて書いてみました。でも業界知らずの私の、全くの勘違いかもしれません。

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